前回
内視鏡検査と呼ばれる刑が執行される日が決まり、 直前に腸内洗浄薬を飲むことになってしまった。
その名も「ムーベン」。
こっちは死にそうなのにまったくもってふざけたネーミングだ。
レモン風味と書いてあるが果たして・・・
今回はムーベン戦から内視鏡検査寸前まで。
・・・・・。
ムーベン・・・。
きっとまずいんだろうな・・・。
なんてムーベンを片手に躊躇しまくって6分。
ようやく覚悟を決めました。
ムーベン・・・
まず、素は粉なので水で溶いてシェイクをします。
粉と水を分量を見ながら調合してシェイクシェイク。。
パッと見はポカリスエットみたいな見た目です。
このまま検査からトンズラしようかとも考えましたが ここで逃げてもいずれ病気が悪化し、下痢便地獄でくたばるのは目に見えていたので意を決してムーベンを飲みました。
んー。
レモン風味で意外といけ・・・ ・・・ しょっぺー!!!
そう、ムーベンはしょっぱいんですよ!
もうダイレクトに単純に言うと普通に不味いです!
これをペットボトル2本分くらいの量を飲み干さないといけないので地獄でした。
飲めば飲むほど不味い。。
何かいい策はないか必死で考えました。
そこで思いついたのがこちら。
これならワイン感覚で飲める!!
海外ドラマ、ホワイトカラーで主人公のニール・キャフリーは昔、高級なヴィンテージワインのボトルに安いワインを入れ、高級志向への欲を満たしていた。。
の応用です。
僕もニール・キャフリーのようにいいワイングラスにしょっぱくて不味いムーベンを注いで飲めばおしゃれで高級な気分が味わえるかも・・・
と 同時にBGMでジャズを流し、照明を暖色系にしていいムードつくりも試みる。
うん、いい感じだ。
グラスをくるくるやりながらおしゃれにムーベンを飲んでいると、味は不味いがなんだか贅沢をしている気分になれそうでした。
ああ、なんかすごいいい気分だ。。
いつかもっと稼いで豪華に暮らせるようになれるとしたら休日はおいしいワインでも飲みながら優雅にのんびり過ごしtぐうううううううううううううおおおおおおおおおおおおお・・・・!! !?
なんだ!? お腹が・・・?
あ、そうか。
これはワインじゃなくて腸内洗浄薬。
即効性の下剤でした。
あわてて立ち上がり、トイレにダッシュ。
・・・ おしゃれと高級感を意識してセットしたなんちゃってハッタリ高級部屋とそこで誰もいないのに延々と流れるジャズ。
その頃トイレに駆け込んだ僕はすさまじい便意に屈して動けなくなっていました。
一回のトイレで3回ほど水を流さないといけないくらいに出続ける便。
快便なのはどこか清々しさを感じるものの、延々と止まらぬ便意に恐怖すら感じます。
やっと治まって部屋に戻ったものの、まだまだムーベンは半分以上ある。。
とにかく飲むしかないと思い、奮闘しました。
ワイングラスでおしゃれに飲むという、なんちゃってジャズバーもだんだん効果を感じなくなってきました。
どうやらここからがムーベンとの本当の戦いらしい。
とにかく飲む飲む出す!飲む飲む出す!!を繰り返しました。
そして最後の一杯を口に流し込み、勝利!
時間的には1時間ちょっと。
今思えばもっと時間が経ってたように思えます。 それくらい強敵でした、ムーベン。
とにかく出して出して腸が空っぽになってもまだ水が出て(たぶんその水は通過してきたムーベン)の繰り返しでした。
ムーベンなどとこんな人を馬鹿にしたような名前のくせに、その実態は恐ろしい便意を引き起こす最凶の激薬でした。
今でも思い出すと腸がキュンキュンします。
ときめきではありません。恐怖によるものです。
さあこの後はもっと強敵の内視鏡検査が待っています。
ドラクエで言うところのバラモス戦の後の大魔王ゾーマ戦です。
しっかりと気と尻を締めて病院というダンジョンに出発しました・・・。
続く